夏越の祓で訪れた天神さんで知ってしまった~少し気がかりな事~

夏越の祓はもう過ぎてしまったのですが、やはり季節の移ろいがおかしくなってきているのでしょうか、今年は梅雨明けもかなり早く6月末にはあの酷暑が始まりました。

例年、町内会から配布される人形(ひとがた)を手にした際、今年は満60歳の還暦でもあるし、天神さんに足を運んで自ら人形をお納めしようと決めました。

おそらくですが、天神さんに赴かなかったら、今回の少し気がかりな事を意識することは無かったのではと感じています。

還暦が厄年?

少し気がかりな事とは、もうお示ししてしまいますが、還暦が厄年であるということです。

今年、1965年(昭和40年)生まれで満60歳の還暦となります。

還暦と言えば、赤いちゃんちゃんこを着て祝うというような祝いごとのイメージがありましたが、やはり厄年にあたるとのことです。

※こちらのページの中ほどに令和7年厄年表があります。

また、昭和40年生まれは本厄とのことで、少なからず驚嘆しました。

驚きに至るまでの顛末

この驚きに至るまでの顛末につきまして、少し順を追ってみます。

・早くに梅雨も明けたので還暦となる今年は、6月末に人形を天神さんへ納めに行こう

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・天神さんの本殿前で拝礼をし、その横に置いてあった人形を入れる木箱にそっと入れた

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・今年は少し良いことをしたような気分になった。が、その箱の後ろに立て掛けられた看板のようなものが目についた

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・今年の厄年の一覧のような内容であったが、私には関係ないと思っていたら、還暦は厄年、それも本厄であった

素通りしていく風の如くさらりとかわせばよいものの、やはり気にしい(きにしい:物事を気にしすぎる性格)な身にとっては、心に引っかかることとなってしまいました。

還暦を考えてみる

還暦について、京つねひごろ的に少し考えをめぐらしてみることにしました。

人生100年というこのご時世に60歳といえば、まだまだ若輩な世代なのですが、やはり先行きや老いを感じる人生の転換点なのではと感じました。

体力的にも精神的にも若い頃のようには行きませんし、自らの限界点が見えてくるタイミングなのだと思います。

人智とはすごいものですねえ、厄年にすることで、この先に向けて今一度我が身を振り返れということなのだと考えました。

要するにのほほんと生きるのではなく、あらゆる側面に留意しつつ前を向いて歩けなのだと考えています。

なぜ赤をまとうのか~還暦と色の意味~

先ほど赤いちゃんちゃんこと記しましたが、京つねひごろ的にはこの赤色に少し意味があると考えています。

以前「小豆を食するということ~京都人が込めた想いや願いとは~」でも触れたのですが、

「赤」とは生命の象徴と魔除けの色として邪気を追い払う色彩として重んじられてきたという深い意味があります。

おそらく人生の転換点としての還暦に鉢合わせとなってしまうような厄を払い、魔を退けるという点からも赤色が今も継承されているのだと考えます。

天神さんで思わぬ珍事?を見受けることとなりましたが、半年に一度穢れを濯ぐ夏越の祓、その半年後の年越しの祓で厄を祓えばそれでいいのではと感じています。

ちょっぴり京つね的補足

最後に少しつねひごろの京暮らしについてご紹介とも兼ねて補足をしておきます。

夏越の祓(なごしのはらえ)

夏越の祓は神事です。半年間に身についた穢れを濯ぎ、厄を祓います。また、残り半年の健康と無病息災を祈願します。

水無月という和菓子

夏越の祓を迎えるころに食べる三角形の和菓子です。

氷の形を模したういろう生地に小豆を乗せたもので、ほんのりと甘く落ち着きのある風味が感じられます。

三角形は暑気を払う氷を表し、小豆は魔除けや悪魔払いの意味が込められています。

やはりここでも小豆がでてきました。

人形(ひとがた)

人の形をした薄い紙に、氏名・年齢(数え年)を書きます。例えば家族人数分について記入し、奉納袋に住所・氏名とお納めする金額を書き人形をいれます。

この金額は、各自のお気持ちの範囲ということです。

茅の輪くぐり

6月30日、この神事では、大きな「茅の輪」をくぐります。

半年間の穢れや厄を祓い、残り半年の健康と無病息災を祈願します。

さてさて還暦の厄に少しどきりとしましたが、こうして節目に祓いを重ねることで、また次の半年を健やかに迎えられそうです。