4つの謎と不可思議な15個の石が意図するもの~龍安寺~
※記事は、2018年1月31日に訪問した際のコンテンツです。
龍安寺を訪れる
京都の庭園はいずれも素晴らしく感動しますが、その中でも石庭で有名な「龍安寺(りょうあんじ)」を眺めたいという気持ちが高まり、京都市右京区へと足を伸ばすことにしました。
大雲山龍安寺は、臨済宗妙心寺派の名刹です。
室町幕府管領細川勝元が徳大寺家の別荘を譲り受け、妙心寺の義天玄承を開山として創建されました。
石庭ですが、もちろん龍安寺以外の寺院で拝観することも可能です。
これまでまちなか散歩で種々の石庭を拝観しましたが、それぞれ似ているにも関わらず、醸し出される趣きはやはりどこか異なることに気付きます。
以前、東福寺や龍源院の庭を紹介しましたが、それぞれに風情というのでしょうか、その空間に流れる気(気流)が違うなと思い出されるのです。
龍安寺の石庭には、刻印の謎、作庭の謎、遠近の謎、土塀の謎といった4つの謎がありますが、この謎解きも想起しながら訪れることとしました。
「鏡容池(きょうようち)」です。
平安時代には公卿が舟を浮かべて楽しんでいたという話が残っています。
この池も気になるところですが、まずは山門をくぐり、石庭へ向かいます。
これまで訪れた庭園と同じく「方丈の廊下に腰を下ろしじっくり庭と対峙したい」、「沈思して庭と語り合いたい」という気持ちがもこもこと湧いて来ます。
静かに景色へと身を任せ、じっとしていますと自然と半眼になり、無とか三昧とかが頭をよぎります。
そして、バタバタとしている日常の心が少しずつ落ち着いていくのがわかります。
「七五三の庭」とも呼ばれる石庭には大小15個の石が配されています。
この構図が意図しているものをあれこれと悩んでみるのも龍安寺へのまちなか散歩での一興です。
こちらの石庭は、他にも「虎の子渡しの庭」と称されることもあります。
これは、中国の逸話である「虎、彪(ひょう)を引いて水を渡る」に由来しており、母虎が、小虎を共喰いさせぬよう考えた、岸から岸への渡し方の話です。
こうした逸話から、この庭の謎解きをさらに進めてみるのも興味深いです。
原点に戻りますが、15個の石は何を物語っているのでしょう?4つの謎とともに沈思してしまいます。
一説では、どの角度から見てもすべての石を確認することができず、必ず一つは見えないようになっているとかいないとか。
まだまだ景色は冬模様。
冷たい空気の中での庭園散歩も嫌いではないのですが、やはりそろそろ春が恋しくなります。
桜が咲くころ、ふたたびまちなか散歩へと足を運び、石庭そして花咲く景色と相まみえんと思っています。
秀吉が賞賛した「侘助椿(わびすけつばき)」です。
名前は侘助という人物が朝鮮より持ち帰ったことに由来するといわれています。
侘び寂びを感じることのできる花の美しさで、千利休をはじめとする茶の世界の人たちからも好まれていたとのことです。
龍安寺
〒616-8001 京都市右京区龍安寺御陵下町13
参考URL
http://www.ryoanji.jp/smph/index.html
京まちなか散歩道 15個の石!龍安寺より引用、再編集
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