背中で泣いてる壬生義士たち~滅びの美学!新選組~
※記事は、2005年8月27日に訪問した際のコンテンツです。
新選組の聖地、壬生をめぐる
京都には、新選組ゆかりの空間が多く存在しています。
観光の際には、その華々しい活躍を辿りながら、まちなか散歩をしている方も多いでしょう。
本日はそんな新選組を辿って壬生界隈をぶらり散歩へ参ります。
八木邸
最初に散歩へ向かうのは八木邸です。
ここは新選組発祥の地で、江戸から京都へやってきた彼らが屯所としていました。
新選組を求めて京都散歩をされる方は、八木邸から始められることが多いでしょう。
ガイド付きの見学ツアーも用意され、新選組について詳しく知りたい方たちに人気があるようです。
土方や沖田たちが芹沢鴨の暗殺を企てた際、芹沢が逃げようとしてつまずいた文机も当時のままです。
また、八木邸のお隣に京都鶴屋があり、銘菓「屯所餅」をいただきながら一息つけることができます。
旧前川邸
次は、旧前川邸を訪れました。
ここには、屯所として実際に使われていた屋敷が残されています。
屋敷は個人宅のため入ることができませんが、土日祝日の10:00~17:00であれば、玄関先でオリジナルグッズの販売が行われています。
新選組ファンの方は、是非このタイミングを狙って、壬生界隈の風情を楽しみつつ散歩へ出かけてみるのも一興です。
毎年3月には、前川邸で切腹し亡くなった総長山南敬助を偲ぶ山南忌も行われています。
参加ご希望の方は12月1日~1月31日までに往復はがきで申し込む必要があるため、忘れずに手続きしておきましょう。
壬生寺
次の目的地、壬生寺(みぶでら)に参ります。
幕末の京都を記した、文久二年(1862年)の新増細見京繪圖大全という古地図を見てみると、千本通より西には通りが乏しいことに気づきます。
とてもまちが形成されていたとは思えず、地図にも記載されているとおりの畑であったようです。
つまり、この壬生寺界隈も、おそらく田畑であったと考えられます。
新選組とつながりの深い八木邸、旧前川邸、壬生寺ものどかな中にあったのではと推察できます。
壬生から南の方角にポツンと島原の灯が見えていたのでは? そんなことを考えながら足を進めていくと、徐々に壬生寺が近づいてきました。
この寺には、局長である近藤勇の銅像や、隊士11人の墓である壬生塚があります。
かつては壬生浪と蔑まれた京都の浪士たちですが、松平容保公により會津藩お抱えとなり、新選組の名をいただいたことで、世評が一気に変わっていきました。
新選組の面影を求めて壬生寺に来られた方は、阿弥陀堂の売店へも是非立ち寄ってみて下さい。
新選組関連の書籍やグッズを買い求められます。200円で拝観できる地階の壬生寺歴史資料室でも、京都や壬生の歴史を知ることができます。
光縁寺
さらに光縁寺に向けて、再びぶらりと散歩しましょう。
壬生寺から光縁寺までは、5分くらいで到着できます。
のんびりと歩きながらふと思いを巡らせたのは、当時のイデオロギーについてです。
尊王は攘夷と結びつき、やがて倒幕に移行しました。
佐幕も攘夷と結びつきますが、何とか幕藩体制の維持に努めようとします。
しかし、急進的志士も佐幕の士も基本的には天皇を敬っているため、尊王はどちらにも理解されていた思想になります。
孝明天皇の信任が厚かった容保公は、もちろん尊王主義であり将軍家への崇拝からしても佐幕主義でもありました。これらの背景を考えると、新選組も尊王佐幕主義であったのではと感じてしまうのです。
到着した光縁寺には、総長山南敬介をはじめ、松原忠司などの墓があります。
新撰組と決別した後に暗殺された伊東甲子太郎や藤堂平助などの墓も光縁寺にあったのですが、新選組が京都を去った後戒光寺へ改葬されました。
以前、山南さんに香をあげに、ここ光縁寺を訪れました。
そこで思い出すのがこんな逸話です。
ここ光縁寺には、山南さんの墓とともに沖田氏縁者の墓があるのですが、寺の住職のお話しでは、ここに眠っているのは山南さんの恋人明里(あけさと)の墓であるとはっきりいわれていました。
山南さん、沖田の縁者、明里と人物模様がややこしく少し頭の整理がつかなかったことを記憶しています。
これも、教科書では学ぶことのできない、歴史の裏側に触れた一件でした。
最近ではなんでもインターネットで検索してしまいがちですが、実際に訪れてまちを巡るからこそ、こういった生の話が聞けます。
これもまちなか散歩の醍醐味だといえそうです。
壬生寺
〒604-8821 京都市中京区坊城仏光寺北入る
参考URL
http://www.mibudera.com
https://ja.kyoto.travel/search-keyword.php?keywords=%E6%96%B0%E9%81%B8%E7%B5%84
京まちなか散歩道 滅びの美学!新選組より引用、再編集