花も建物も格別に美しい！～門跡中の門跡寺院、御室仁和寺～
※記事は、2018年10月22日に訪問した際のコンテンツです。
京都には、皇室と関わりの深い寺院が数多くあります。
ぶらりとまちなか散歩に出かけますと、長い歴史を経て今ここへ立っている自分の存在が、奇跡であるように感慨深く感じられます。
仁和寺を訪れる
数ある皇室ゆかりの寺院から、「御室仁和寺（おむろにんなじ）」へと行き先を定め、春と秋の装いを織り交ぜながらご紹介します。
888年に創建された、真言宗御室派総本山の仁和寺は門跡寺院ですが、その中でも最も格式高い門跡寺院といわれています。
仁和寺第1世は宇多天皇（法皇）で、菅原道真を重用していました。その後、道真は右大臣まで昇進し太政官で政務を司るまでになります。
しかしながら、天皇譲位後は藤原時平らに謀反の嫌疑をかけられ太宰府へ左遷となります。道真は宇多法皇を頼り仁和寺を訪れたとのことで、今でも水掛不動尊には法皇を待ち続けた菅公腰掛石が残されています。
桜が際立つ春風情、鮮やかすぎる紅色の秋風情
仁和寺は、御室桜を愛でられる寺院として有名です。
まちなかでソメイヨシノが散り始め、桜も終わりに近づくころ4月の中旬から下旬でしょうか。最後に見られる遅咲きの桜が御室桜です。
背丈はそれほど高くなく、眼前に花の様子が見られるため、毎年多くの観光客が写真におさめています。満開の時期ともなると、その美しさは壮観です。
ちなみにですが、鬼平犯科帳（中村吉右衛門主演）のエンディングで五重塔をバックに桜の風景が流れるのをご存知でしょうか？
実は、仁和寺の御室桜です。ドラマを見るたびに、ああ御室さんの桜と感慨深く見入ってしまいます。
それでは散歩の足を進め、京都三大門の一つである二王門を入って参りましょう。
入った瞬間に視界が開け周囲の風景が一変します。この風情の変化を楽しみに、仁和寺へ訪れている方も多いようです。
入って左手には御殿があります。こちらは拝観料が必要ですが、書院の間や庭には御室御所と言われた風情があり、門跡寺院の風格を感じます。
右手奥には五重塔があり、散歩へ訪れた人たちを迎えてくれます。
京都には、4つの五重塔が存在しています。もっとも有名なのが東寺ですが、その他にもこの仁和寺に加え醍醐寺、法観寺に五重塔がありますので、まちなか散歩にてすべての塔を巡ってみるのもなかなか趣深いかと思います。
また、よりゆっくり過ごされたい方には御室会館という宿坊もあります。
宿泊客のみ仁和寺で行われる朝のお勤めへ参加できることもあり、京都の中でも人気の高い宿となっています。
世界遺産に泊まるという経験はあまりできませんので、遠方からお越しの方には特に、思い出に残る旅になるのではないでしょうか？
京まちなか散歩道 門跡中の門跡寺院！仁和寺より引用、再編集
