厳かで静謐な庭園を求めて~叡電一乗寺駅から詩仙堂へ~
※記事は、2018年5月27日に訪問した際のコンテンツです。
晴天のもとまだ5月の下旬とはいうものの、夏を思わせる陽光に照り付けられ、気温は30度を超える中、叡電一乗寺駅から曼殊院通を東へぶらりと散策しました。
詩仙堂の瀟洒な空間、静寂の中に広がる庭、「暑すぎるで」と文句を言いながらも私の頭には既に情景が浮かんでいました。
(広告)叡電一条駅界隈を歩く
こちらが京都市左京区にあります「叡電一条駅」です。
斬新なデザイン、ひえい
ちょうどタイミングよく、「ひえい」が、ホームに滑り込んで来ました。
さて、ひえいの斬新なデザインに魅了されつつ駅を出ますと、周りは商店街が広がっています。
街並みをのんびり眺めながら、曼殊院通を東へ歩を進めます。
宮本武蔵、決闘の地
「叡電一乗寺駅」から600mほど行きますと、右手に「一乗寺下がり松」が見えて来ます。かつて京都が平安の世であった頃から、旅人の目印としてこの分岐に松の木が植え続けられており、現在は4代目とのことです。
また、かの剣客「宮本武蔵」が吉岡一門数十人と決闘したという伝説が残されています。
武蔵が「一乗寺下り松の戦」の前に立ち寄ったとされる「八大神社」には、一乗寺下り松の古木が本殿西に保存されていますので、散歩コースへ入れてみるのもおすすめです。
さて、散歩を続けましょう。
「一乗寺下がり松」を南へと進みますと、「北山別院」があります。
親鸞上人ゆかりの寺院とされ比叡山修行中、上人は百日参籠で六角堂に参る際、この御聖水で身を清められたとのことです。
(広告)心落ち着く静謐なたたずまい、詩仙堂
次に足を向けましたのは、本日の目的地である「詩仙堂」です。
もともとは江戸時代の初期に活躍した文人「石川丈山」が、1641年(寛永18)に造営し、隠棲した山荘跡です。
現在は曹洞宗の寺院で「丈山寺」となっています。
山門をくぐりますと、まずは涼やかな竹林が出迎えてくれます。
詩仙堂に到着する頃には額に汗するほどでしたが、不思議なもので、「暑い、疲れた」などという気持ちは、途端に薄れてしまいました。
丈山は、庭づくりの名手でもあったとのこと。
詩仙堂の庭園は、四季折々の草木が本来の美しさを存分に表せるように作られています。
京都らしいこの庭を見ていると、暑さに負けず、この地を訪れたことに心から良かったと感じました。
詩仙堂は特に、春の終わりに咲くサツキと、秋の紅葉が必見の寺院です。
新緑に満ちた境内では、本日も色鮮やかなサツキが、美しく映えておりました。
静寂の中に広がる優美な情景。
このような光景を前にすると、自ずと黙してしまいます。
心静かに洗われ、厳かな静寂に包まれながら、本日のまちなか散歩を終えることにしましょう。
詩仙堂
〒606-8154 京都市左京区一乗寺門口町27番地
京まちなか散歩道 まちなかぶらりん(叡電一乗寺駅から詩仙堂)より引用、再編集