早春に香る「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花」~北野天満宮~
※記事は、2018年3月2日に訪問した際のコンテンツです。
梅香る北野天満宮を訪れる
3月早春、梅の開花を耳にすると決まって菅原道真公の歌が想起されます。
「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」
まちなか散歩では、季節が巡る毎に訪れたくなる場所がありますが、「北野天満宮梅苑」もその一つです。
天神さんの愛称で親しまれている北野天満宮は、学業の神、芸能の神として広く知られておりますので、本日も多くの方が京都観光や参拝へと訪れていました。
境内には広大な梅苑があり、まちなか散歩にうってつけです。
これは、この神社に祀られている菅原道真公が梅を大変好んでいたことに由来しており、冒頭の歌は大宰府へ左遷される時に大切にしていた梅の木に対して詠んだといわれています。
さて、天神さんへと到着しました。
毎年2月初旬から3月下旬にかけて、この北野天満宮梅苑が公開される時期となり、京都観光の方が散歩コースに入れることも多いとお聞きします。
入場料が1000円と少しお高いのですが、50種、約1500本の梅が咲き誇る神聖な場所ですので、それ以上の価値をすぐに感じることができます。
また、苑内の茶屋では麩菓子「菅公梅」と梅茶「香梅煎」もいただけます。
梅を模した可愛らしい菅公梅は、ふわふわと軽い食感で、この御菓子も梅茶も香り高くなかなかの美味です。
美しい景色を眺めながら、足を休め、ほっこりとした時間を過ごすことができます。
また、花と出会えるぶらり散歩を、心置きなく楽しめる場といえます。
3月に入りましたので、そろそろ見頃なのではと予想して来ましたが、まだ5分咲きと言ったところでしょうか。
白と、こっくりとした桃色の花弁が、境内を華やかに彩っており、満開とはまた違った美しさが散歩の足を和ませます。
京都の歴史ある建造物と花はどうしてこんなにも似合うのか、しみじみ感じ入ってしまいます。
そのまま梅苑の小道をゆっくりと散歩し、次に境内の西側にあります「御土居」に向かうことにします。
ここはかつて、秀吉が築いた土塁の一部であり、現在は京都有数の紅葉名所として人気があります。
秋の景色ももちろん良いのですが、この季節は梅の花を愛でることができますので、天神さんへ早春に訪れた際は、ぜひ立ち寄って頂きたい散歩道です。
こちらもまだ、咲き始めて間もないようですが、あと数日も経てば、白、桃、紅色が川沿いを彩り、しだれ梅のトンネルがお目見えする事でしょう。
季節が巡るとともに、その季節の花たちも咲く。自然の理と言ってしまえばそれまでなのですが、変わらず繰り返されることの尊さを感じます。
ゆったりとした時の流れ、そして四季のうつろいを感じる、贅沢なひとときを過ごせました。
このまちに訪れ始めた春のきざし、散歩へ出かける回数がこれからますます増えていく予感を感じながら、帰宅の途へ着くことにします。
北野天満宮
〒602-8386 京都市上京区馬喰町
参考URL
http://www.kitanotenmangu.or.jp
京まちなか散歩道 花を求めて(北野天満宮梅苑)より引用、再編集
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