京都にも東照宮がある?家康と崇伝、由縁の寺院~金地院~
※記事は、2018年3月2日に訪問した際のコンテンツです。
京都東山、金地院を訪れる
まちなか散歩の訪問先は、京都市左京区にあります「金地院(こんちいん)」です。
金地院は、臨済宗大本山南禅寺の塔頭で、室町幕府4代将軍足利義持が北山に創建し、その後「崇伝」により現在の地に移築されました。
崇伝といいますと、方広寺鐘銘事件の鐘の銘文「国家安康」、「君臣豊楽」の一件を思い出しますが、この件に関わっていたかどうかは定かではないようです。
ただ、家康の信任が厚く重用されていたため、政治的な助言も行っていた可能性は高いと思われます。
その証の一つとして、院内には東照宮があり家康の遺髪と念持仏が祀られていることが挙げられます。
少し思索しながら、いざ金地院へ着きますと、お寺の中に鳥居がありますので、少し不可思議さを感じます。
「東照宮がこんなところに?」と驚いてしまうのですが、家康と崇伝の関係性を考えればさもありなんといったところでしょうか。
ご存知の通り東照宮は全国各地にありますが、京都で訪れることができるのは、意外にもここ金地院のみです。
京都市下京区にあります東本願寺にも幕末のわずか2年間のみ東照宮があったとのことですが、焼失によりその姿は失われてしまいました。
こちらが明智門です。明智光秀が母の菩提のため大徳寺に建立しますが、明治になって金地院へと移築されました。
東照宮です。
厳かな気配が漂います
今回のまちなか散歩で楽しみにしている庭へと散歩の足を向けてみましょう。
方丈前庭、特別名勝鶴亀の庭です。小堀遠州の作です。
かなり広い庭ですが、白砂や大きな石の配置、東山を借景としているなど、意匠を凝らしていると感じられます。
また、名勝鶴亀の庭には亀島や鶴島、宝來連山に見立てた三尊石や東照宮の遥拝石がありますが、手前部分の枯山水には石が置かれていないことに気付きます。
(広告)これは、鑑賞する人の想像力を高めることで脳裏に風景が浮かんでくるとのこと。
しばし、散歩の足を休め、豪壮な風情に想いを馳せてみます。
金地院は、比較的観光客が少なく静かに景色を楽しめることもでき、大人のぶらり散歩におすすめの寺院です。
特別拝観を申し込むことで見学できる、京都三名席の一つでもある茶室(八窓席)も有名ですので、京都観光される際には拝観期間を確認の上、ぜひお越しください。
金地院
〒606-8435 京都府京都市左京区南禅寺福地町86-12
参考URL
https://ja.kyoto.travel/search-keyword.php?keywords=%E9%87%91%E5%9C%B0%E9%99%A2
京まちなか散歩道 東照宮がここにも!金地院より引用