脳裏に焼き付くほど鮮明な紫が印象的、大田神社のカキツバタ

※記事は、2018年5月4日に訪問した際のコンテンツです。

大田神社
大田神社 鳥居
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大田神社のカキツバタを愛でる

間もなくゴールデンウイークという今日、私の頭に浮かんでいたのは美しい紫の花でした。そこで朝早くから散歩へ出かけた先は、京都市北区にあります「大田神社」です。

上賀茂神社の境外摂社の一つで、上賀茂神社から500メートルほどの所にあります。

天鈿女命(あめのうずめのみこと)を祭神とし、長寿信仰、賀茂における最古の神社としても有名ですので、京都観光の際に訪れた方も多いのではないでしょうか。

こちらには、建物の中央を参道が通る割拝殿という、大変珍しい構造の拝殿があるのですが、あいにく本殿・拝殿は修復中でした。

さて、こちらは一年を通じて多くの方が訪れる神社ですが、初夏のお目当ては本日の目的でもある「カキツバタ」です。

大田の沢 カキツバタ

境内にある「大田の沢」では、カキツバタの野生群落を見ることができます。

カキツバタの野生群落

国の天然記念物にもなっており、毎年5月上旬から中旬、おおよそ2000平方メートルの沢は約2万5千株の花で埋め尽くされます。

これほどの景色は京都中、いや国内中でも珍しいのではないでしょうか。

鳥居をくぐり参道を進んでいきますと、沢一面に広がった気品ある紫の花が、私を出迎えてくれました。

なんと気高く、しとやかな姿でしょう。和の真髄を体現しているかのようです。

大田神社 カキツバタ

大田神社のカキツバタ」は、平安時代にはすでに知られており、とりわけ紫は、最も愛された色ですから、この季節には貴族をはじめ多くの人たちが散歩へ訪れたことだと想像できます。

美しいものを見慣れているはずの平安貴族ですら、「大田神社」のカキツバタには、魅了されたに違いありません。

その頃と同じ風景をこうして眺めていると思うと、不思議な気持ちになります。

有名な尾形光琳の作に「燕子花図(かきつばたず)」が思い出されますが、画と同じように一つ一つの花が持つ紫や青といった色彩の違いを濃淡と伴に味わうことができました。

最後にもう少し、境内を散歩してみます。

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春が過ぎ、夏を迎えようとするこの季節。境内では輝くような新緑が眩しく目を奪われます。爽やかな風が吹く度に、葉から陽の光が降ってくるようでした。

大田神社 灯籠

今回は最良なタイミングでまちなか散歩へ訪れることができ、気持ちも晴れ渡ります。

散歩の足をしばし止め、美しい風景に癒されることにします。

旬のカキツバタに新しい季節の到来を感じつつ、次の散歩先を思案しながら、家路へ着くことにしました。

大田神社
〒603-8047 京都府京都市北区上賀茂本山340

参考URL
https://ja.kyoto.travel/tourism/single02.php?category_id=7&tourism_id=243

京まちなか散歩道 花を求めて(大田神社のカキツバタ)より引用、再編集