科学立国への強い志を感じる~島津製作所 創業記念資料館~
※記事は、2018年4月19日に訪問した際のコンテンツです。
所用があって寺町通を二条通に向かって下がっておりました。
そんな時、不意に頭に浮かんだのが、数日前に掲載されていた京都新聞の記事です。
「幻の実験道具、島津製に続々帰還 学校統廃合や校舎改築で」(2018年4月22日)というものでした。
島津製作所といえば京都が誇る企業ですから、他地域にお住いの方も名前は知っていらっしゃるかと思います。
本社は京都市中京区(西大路御池)にあり、これまでのまちなか散歩の際にも、よく目に入ることがありました。
島津製作所の科学立国の志と息吹に触れる
木屋町二条界隈に「創業記念資料館」があります。
先の記事にありました、明治時代初期に製造された教育用の理化学器械などがこの資料館で展示されているとのこと。
近くまで来たこともあり是非見てみたいと感じ、このまま参ることにしました。
車やバイクに乗られる方ならGSバッテリーという名前をご存じだと思います。
このGSというのは旧・日本電池のブランド名であり、島津源蔵(2代目)のイニシャルに由来します。
ちなみに、初代島津源蔵が島津製作所の創業者です。
島津製作所は、京都の数ある企業の中でも伝統があり、高い技術力を有しています。
日本だからこそできる、細やかな技術の数々が戦前戦後の国を支えてきました。
ノーベル化学賞を受賞された田中耕一さんは、こちらのシニアフェローです。
もう30年も前になるでしょうか。
私が就職活動をしていた時のことです。就職先としておやじは、「実直でしっかりした会社」と島津製作所を薦めてくれました。
内定をいただくことができとても喜んでくれたのですが、結局私は違う道を選択することになります。
今さらながらとなりますが、島津製作所にはお世話になり、お礼を申し上げなければなりません。
散歩の足が資料館へと着き館内へ入りますと、初期の医療用X線装置 が視界に入って来ました。
この装置を開発したことで「レントゲンの島津」と呼ばれるようになったとのこと、とても希少な機械に触れることができ嬉しく思いました。
その他にも木製の顕微鏡や旋盤、起電機やガスクロマトグラフに人体模型まで、今回の訪問では珍しいものをたくさん見ることができました。
博物館や美術館にはない、企業ならではの展示がどれも興味深く感じました。
科学立国への強い志と息吹、京都のまちの心意気のようなものを感じました。
先駆的ものづくりのまちである京都。
今も多くの企業が本社を置いていますが、明治時代という大きな社会変動の中、島津源蔵をはじめ多くの人たちが、科学技術への寄与という高い志を持っておられたことを知る、まちなか散歩になりました。
木屋町を訪れる際には、また立ち寄ってみようと感じ、帰路に着きました。
島津製作所 創業記念資料館
〒604-0921 京都市中京区木屋町二条南
京まちなか散歩道 科学立国への志!島津製作所 創業記念資料館より引用、再編集