京風情を楽しみながら祇園をそぞろ歩き~八坂の塔界隈~
京都で五重の塔といえば、どちらの寺院の塔を想定されるでしょうか。
個人的には、東寺、仁和寺、醍醐寺が有名だと感じておりますが、もう一つ祇園の八坂さん(八坂神社)界隈に建つ著名な五重の塔があります。
テレビのニュースやドラマ、その他あらゆるメディアで見受けられ、「八坂の塔」としてよく知られている所があります。
八坂の塔界隈をそぞろ歩く
今回、八坂の塔に焦点を当て、京風情とともにご紹介します。
京都の東山、八坂神社から清水寺に行く道すがら、八坂の塔があります。
八坂さんから少し下がった東大路通から見上げると、屹立しているといっていいでしょうか、八坂の塔が見えます。
八坂の塔という呼称が有名なのですが、正式には法観寺(ほうかんじ)といい、臨済宗建仁寺派の寺院です。
高さ46メートルの五重の塔(国の重要文化財)は、祇園界隈の景観には欠かすことのできない存在となっており、夕暮れにとけ込んでいく塔の姿や夜間にライトアップされた幻想的な姿は、周辺の京町家や石畳の街並みとあいまって異空間とも感じられる神秘的な美しさを一層深めます。
(広告)八坂の塔の周辺は、石畳が敷かれ、時代劇のセットかと見紛うほどの空間で、まさに京都!と感じることができます。
そびえ立つ五重の塔は、この界隈のシンボル的な存在となっており、青空に映える姿にも情緒や趣がありますが、夕闇が迫る中、紅の空に染まりながら同化していく塔の姿も美しいです。
さらにライトアップされた様相は、静寂に満ちた祇園のまちに浮かぶ幻想的な情景を漂わせ、自ら気づくことなく感動が込み上がってきます。
界隈には、京みやげのお店や和服のレンタル店、和風のカフェなども多くあり、京情緒を満喫しながら観光を続けることができます。
個人目線となりますが、八坂の塔界隈でおすすめスポットを二つご紹介します。
一つは、SNS映え間違いなしと感じられる「八坂庚申等堂(やさかこうしんどう)」です。
八坂庚申堂は、通称で正式には、天台宗の寺院「大黒山 金剛寺 庚申堂」といいます。
こちらで一際目を引くのが、境内に奉納されている色鮮やかなお手玉のような布がくくられている「くくり猿」です。
庚申信仰では、欲深い人間の姿を猿に似せて、猿の手足をくくりつけ動けないようにすることが、人間の我欲を抑えることに通じるとされています。
「くくり猿」は、欲を我慢することで願い事が叶うようにとの思いが込められています。
もう一つは、>ミシュラン3つ星最上級老舗料亭「菊乃井本店」です。
八坂の塔から少し上がったところに、美しい庭で有名な高台寺があります。豊臣秀吉の正室北政所(ねね)が創建した寺院ですが、すぐそばに菊乃井本店があります。
菊乃井本店は、ミシュラン3つ星の常連で、非常に高級な老舗料亭です。主人の村田吉弘さんは、テレビでもよくお見掛けする方で、日本料理アカデミーの理事長も務めておられ、和食を文化にまで高めることに日々尽力されています。
私もかねてから一度は訪れてみたいと憧れている菊乃井本店ですが、少しお値段が張るのと予約を取ることが難しいとのことです。
菊乃井本店
https://kikunoi.jp/kikunoiweb/Honten/index
しかしながら京都という風情の中で、京料理の奥ゆかしさや「だし」を重んじる絶妙な味に触れてみたいと感じ続けています。
さまざまに美しい姿を醸し出す八坂の塔を見ながら、ぶらり京散策しながら、高台寺や清水寺まで足を延ばしてみるのも楽しいでしょう。
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