地味ながらもすき焼きに存在感!~麩と京都、あれこれ~

これは、極めて繊細な歯ざわりと続き、「麩」のことを記そうと思ったのです。

2週間ほど入院していたおふくろが、退院する際、

「病院のごはんは、まずい。家帰ったらなんかおいしいもん食べたい」

と顔をしかめながらいいました。

「ほな、何が食べたいん?」

「うん、すき焼きが食べたい」

というので、今買い物に行って来て準備をしているところなのです。

それで、すき焼きといえば、以前にもお話ししましたが、三嶋亭のすき焼きを思い出します。

その味を再現するなんて、これはとんでもないことですが、ふと気がついたのが「麩」なのです。

確か、調理をしてくれた仲居さんが、

「最後によく味が染んだ麩をお召し上がりください」

とゆうたはったなあ。ということで、「麩」を思い出したのです。

それで、今日のすき焼きは麩を入れようと思い、スーパーで買い求めました。

ちょっと話がそれますが、まちなかの料理屋では、「食べておくれやす」とはいいません。花街に行けばそうなのかもしれませんが、京都の料理屋は京都弁が標準ではないことを付け足しておきます。

麩というと、歯ざわりがサクサクしていて口に入れるとすぐさま淡く溶けてしまう上品な食べ物という印象があります。

すき焼きに入っている麩は、すき焼きのうまみを十分に含んでもちっとした感じが特徴的でしょうか。

ところで、麩って何が原料?と不思議に感じました。

私は、米や餅といった炭水化物系と思っていたのですが、調べてみると意外や意外、麩はグルテン(たんぱく質)を主原料の1つとした加工食品なのだそうです。

なるほど、麩はそれほど甘くないですよね。

京都では精進料理や京料理となじみが深いですが、かつて不足しがちなたんぱく質を豆腐とともに麩で取っていたとのことです。

麩でもうひとつ調べもの。

寺町通から西へ御幸町通りの次に「麩屋町通」という通りがあるのですが、字から見てやはり麩と関係あるのだろうと思いちょっと調べてみました。

「京羽二重」(貞享2年(1685年)刊行)には、麩屋町通の名前の由来について、昔、この通り筋に豆腐・麩麺類を商う人が多数集住していたとの解説が載っているとのこと。

やはり、そうした起源があるのですねえ。今度、麩屋町通を通ったら風情をかみしめようと思います。

麩についていえば、「麩菓子」もありましたね。せんべいのように丸い形で表面に白い砂糖がかかっていて、口に入れると麩がすぐに溶けて甘みだけが残る、少しはなかい感じが興をそそられましたね。今もよく、覚えています。  

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