訪れたい京都御所の宮家や公家の遺構~閑院宮邸跡、拾翠亭~
※記事は、2018年8月24日に訪問した際のコンテンツです。
前日の夜から台風20号が近畿地方を通過し、台風一過となった翌8月24日に御所の閑院宮邸跡、拾翠亭を訪れました。深夜に京都を通り過ぎる中、風雨の強い台風との予報で、まちなか散歩ができるだろうかと内心心配しておりましたが、御所の中はいつもの通り静かで樹々も爽やかに映えていました。ただ残り風(南風でしょうか)が吹き、暑さが身にこたえました。
(広告)宮家、閑院宮邸跡を訪れる
まちなか散歩で行く先に迷った際はいつも御所に足を運ぶということがつねひごろの行動スタイルなのですが、閑院宮邸跡は見学できない所とずっと思っておりました。
月に1度の散策講座に参加しているのですが、今回のコースが閑院宮邸跡からのスタートとのことで、散歩を通じこの宮邸跡に初めて訪れました。
環境省のHPには、下記の通り記されております。
「閑院宮家は伏見宮家、桂宮家、有栖川宮家と並ぶ四親王家の一つで、1710年に東山天皇の皇子直仁親王を始祖として創立され、公家町南西部のこの場所に屋敷を構えました。」
「京都時代MAP 幕末・維新篇 新創社編 光村推古書院」を見ますと、確かに烏丸丸太町、御所の南西に閑院宮の大きな邸がありました。この書籍を見ながら、改めて明治の東京遷都で多くの公家屋敷が失われたのだと理解します。
「床みどり」、床に映える青モミジが有名とのことですが、春の新緑の頃に見られるのだと思います。
来年、季節の良い時機を見計らって再訪したいと感じております。
邸宅跡内には、京都御苑の自然と歴史についての写真・絵図・展示品・解説を備えた収納展示室があり、江戸時代に使われた文具や印、お茶碗など珍しい品々を見ることができます。
京都は本当に暑いまちですし、散歩の足が頻繁に止まるような、ある意味気候がイケズなまちと幼いころから感じていますので、エアコンが効いている展示室には本当にほっとしました。
(広告)眺めが雅やか、拾翠亭を訪れる
次に訪れたのは、九條家の茶室、拾翠亭です。
九條家は五摂家の一つで代々摂政・関白を務めた名門の公家です。この拾翠亭は主として茶会や歌会など社交の場として利用されました。
御所には百日紅があるのですが、例年お気に入りの散歩道にぶらりと散歩しながら花を愛で夏の季節感を楽しんでいます。
今年は花が少し小さく色合いも薄いような気もしました。
拾翠亭の茶室から艶やかに咲く百日紅と陽光と室内の影が織りなす茶室との美しさ、深みある緑色の九條池、かつて公家の人たちは芸術とも言えるような雅な風景と風情に接していたのだと思うと羨ましさを感ぜずにはいられません。
また高倉橋からは、京都三珍鳥居の一つ厳島神社の唐破風(からはふう)鳥居も眺めることができます。
さらに、この橋から見る百日紅と拾翠亭の絵画的なたたずまいもまちなかの風景とは思えないように感じてしまいます。
これも京都まちなか散歩での出会いだと思っています。
閑院宮邸跡、拾翠亭
〒602-0881 京都府京都市上京区京都御苑3
京まちなか散歩道 まちなかぶらりん(閑院宮邸跡、拾翠亭)より引用、再編集