食品ロスへの懸念~たまごやメロンが高級品だった頃~

果物店

もう飽食の時代ではない!

そうなんです、今となってはたまごもメロンもありふれた食べ物ですが、私が子どものころ、それはそれは高価な食べ物でした。

たまごですが、スーパーに行けば10個入り1パック200円ぐらいで売っていますね、それも赤玉です。最近、白玉もあまり見かけなくなりましたが。

思い出すのは、こんなことです。

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近所の方が入院をされて、そのお見舞いに赤玉のたまごをおふくろが買って来て、大事そうに病室へ持っていきました。

現在のようにパックといった容器はありませんから、新聞紙に包んで本当に大切に、それこそ取り扱い注意の様相でしたね。

昭和40年代のことですが、たまご1個いくらくらいだったのでしょうか?ネットでは、当時も今も1個15円ぐらいとのことですが、物価が随分違いますから、めったに口に入ることのない高級品でしたね。

「スモッちよくばり卵」

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もう一方のメロンです。

これも今となっては、カットフルーツで売られていて、お手軽に食べることができます。

昔話ばかりで恐縮ですが、昭和40年代メロンも超高級品でした。くだもの屋の店先ではなく、奥の奥の方に鎮座ましますという感じで、本当に飾ってあるという表現が最も適していました。

桐の箱でしょうか、木箱の上にメロンが(メロン様といった感じでした)重々しく置いてありました。よく覚えています。

メロンもたまごと同様、お見舞いに持っていくことが多かったのではないでしょうか。私は、幼いころにメロンを口にしたことがありませんでした。大げさではなくて。

くだもの屋の奥に飾られているメロンを見ては、「メロンってどんな人が食べはんにゃろ?」と子ども心によく思ったものです。

メロンは、よその人が食べるもんでしたから、大人になっても食べることなどないと思っていました。

たまごもメロンも貴重な高級品でしたが、今は私の口にも入るようになりました。それも日常茶飯事に。

「日本橋千疋屋総本店 マスクメロン」

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たまごは本当にいろいろな料理に使われていますし、外食したらデザートでメロンもでてきます。

食品ロスとか飽食の時代とか言われていますが、「食」に対するありがたさやもったないという意識、子どものころに教えられた大切なこともすっかり薄れて、贅沢になってしまっている私。

「食に対する感謝の気持ち」、忘れてはいけないと感じています。