京都の梅雨を楽しむ~柳谷観音のアジサイと花手水~
梅雨まっただなかの京都。
今の季節に見ごろを迎える花といえば、そう、アジサイです。
色とりどりの花を雨に濡らして咲く姿は、桜やバラとはまた違った良さがありますね。
京都に複数あるアジサイの名所の中でも、近年「アジサイの花手水(はなちょうず)」で話題を集めているのが、洛西にある寺社「柳谷観音(やなぎだにかんのん)」です。
境内に植えられたアジサイと、手水鉢に浮かぶアジサイ。
今回の記事では、この2種類のアジサイを写真と共にお届けします。
(広告)眼病平癒のご利益があるお寺「柳谷観音」
柳谷観音は京都の西山に鎮座するお寺。
正式名称を「楊谷寺(ようこくじ)」といい、古くから眼病平癒(がんびょうへいゆ)を祈祷する寺として信仰されてきました。
敷地内には、かの弘法大師が眼病に効くよう祈りを捧げたとされる霊水「独鈷水(おこうずい)」があり、現在でも眼を患った参拝者がいただくのだそう。
他にも、寺務所では眼の健康にご利益があるという「慈眼あめ」が授与されており、お土産を兼ねて購入する方もいらっしゃるようです。
梅雨の季節に境内を彩るアジサイ
この柳谷観音で、6月初旬から7月上旬にかけて境内を賑やかすのが前述のアジサイ。
数は約5000株にのぼり、書院から奥之院までの建物内を繋ぐ「あじさい回廊」や、散策にぴったりな参道の「あじさいのみち」など、エリアごとに違った趣きで参拝者を楽しませます。
また、柳谷観音ではアジサイの見ごろにあわせて「柳谷観音あじさいウィーク」が開催され、期間中は建物の特別公開や限定御朱印の授与などが行われるとのこと。(※1)
そのため参拝者の数もなかなかのものですが、平日は比較的すいているので、混雑を避けたい方は土日を外して訪れるのがおすすめです。
(広告)全国に広まった柳谷観音の「花手水」
そしてもうひとつ柳谷観音で注目したいのが、数年前からおこなっている「花手水」。
花手水、という言葉は本来べつの意味を持つのですが、柳谷観音が「花を浮かべた手水舎(手水鉢)」の意味で使い始めたところ、花手水そのものと共に全国へ広がったのだそうです。
こちらの寺院では、季節の花や紅葉など、四季を感じさせるデザインの花手水が特徴。
中でも、広く知られるきっかけとなったアジサイの花手水は、年間を通しても根強い人気を誇ります。
花手水の種類は、境内の入り口ちかくにある「龍手水」や本堂のそばで見られる「庭手水」など、全部で6パターン。
それぞれデザインが異なっており、すべての花手水を見るために境内をぐるりと巡る参拝者も少なくありません。
また柳谷観音の花手水は、苔がふわりと生えた手水や、柄杓が味を出す手水など「手水舎(手水鉢)そのもの」も見どころのひとつ。
その時々にしか見られない花と手水の組み合わせは、まさに一期一会の言葉が似合います。
各所の花手水を見比べれば、きっとご自身のお気に入りが見つかるはずですよ。
憂鬱な気分を変えてくれるアジサイと花手水
梅雨のアジサイは、水をまとう姿も美しい花。
そう考えると、晴れの日でも雨天時のようなみずみずしいアジサイを見られる柳谷観音の花手水は、まさにグッドアイデアといったところでしょう。
長引く雨が憂鬱なときは気分を変えて、柳谷観音のアジサイを見に行ってみるといいかもしれません。
※1:2021年は6月6日(日)~7月4日(日)開催
柳谷観音(楊谷寺)
〒617-0855 京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2