かつて、銭湯できっちり叱ってくれた知らんおっさんたち

「叱られる」、これは銭湯での話です。

私たちが子どものころ、家風呂がある家庭は少なかったですね。だいたい、小銭を握って銭湯へ行っていました。

だいたい小学校上がるまでは、母親と一緒に女風呂、1年生になったら男風呂、そんな「家」のお定めがどこの家庭にもあったような気がします。

昭和45年ごろでしょうか、入浴料は大人100円、小学生50円ぐらいだったと思います。50円玉握って、銭湯へ通ってました。たまに小遣いをもらった時などは、嬉々として風呂あがりにジュースや牛乳を飲んだりしていましたね。

子どものちょっとした贅沢でした。

ところで、銭湯で思い出すのが、知らんおっさんに叱られることです。町内の人でもなく知り合いでもなく、全く知らんおっさんにガツンと叱られるのです。

だいたい、子ども同士で銭湯へ行くというと遊びに行くのと同じで、やんちゃしてましたね。わんぱくというようなお上品な言葉ですまされるようなことではないのです。「やんちゃ」、「おうちゃく」の方が適切だと思います。

迷惑かまわず水風呂に潜ったり、風呂で泳いだり、湯が熱いからといって水でジャボジャボうめたり。

ゆっくりくつろいでいるおじいさんやおっさんからすれば、腹も立ちますね。

「こらっ、遊んだらあかんやろ!」、「遊ぶんやったら、あっちいかんかい!」

知らんおっさんに叱られるのです、ガツンと。

親ではなくて、見知らぬ人に叱られるとこたえるんです。どの子どもも、くしゅんとしてしまいましたね。

けれども、こういうおっさんは、ふだんは優しくてええおっさんなのです。かしこく湯につかっていたりすると、優しい目で見守ってくれていることが多かったですね。

今、銭湯に限らず、よその子どもを叱れますか?

スーパーで走り回っている子どもがいたら、私は一喝する寸前までいきますが、やはり叱れません。

たとえ近所の子がいたずらしているのを見つけたとしても叱れないです。「こらっ」のひとつも言えないです。

今はちょっとしたことでも、世間が、社会がうるさいのです。また、私たちもご近所さんのことでも関わりたくないのです。他人事は「ひとごと」、わずらわしさが勝ってしまうのです。

せちがらくなった、非人情な世になったというのが現実でしょう。

人との関りも希薄になりました、どうも窮屈な世の中になりましたね。