ときどき京都人?~ふだんの京都に接してみたい人たちへ送る書~
今年は稀に見る酷暑の連続で、また夏の期間が長く秋は遅くに訪れました。
季節は移ろいますが、日本の四季は少しずつ変調を来しているのかもしれません。
京都も例外ではなく、そんな想いでふだんの京都、まちなか京暮らしを考えていたところ興味深い書2冊と出逢いました!
永江朗さんのこの2冊。
(広告)以前に、住んでみなはれ!~京都移住を感じている人たちへの必読書~ において校條剛(めんじょうつよし)さんの「にわか〈京都人〉宣言 東京者の京都暮らし」をご紹介しました。
(広告)また、東京のさまざまな地を京都に置き換える(重ね合わせる)という画期的な視点から、岸本千佳さんの「もし京都が東京だったらマップ」も興味深く読み、京都のまちを新たに理解し直したという点も記憶に残っています。
(広告)京都人は、京都に関する書籍が本屋に並ぶと、やっぱり気になるのでしょうなあ、案外すぐ手に取る癖があり、よその人はこのまちをどう見ているのか意識している(気にしている)と考えられます。確かに気になります。
さらに井上章一先生の「京都ぎらい」と「京都まみれ」、養老孟司先生の「京都の壁」も名著といわれる理由がよく理解できました。
(広告)2冊の書に感銘
さて今回ご紹介する永江朗さんの「そうだ、京都に住もう。」、「ときどき、京都人。東京⇔京都 二都の生活」ですが、東京と京都で二つのまちを居とされ、二都生活をされている中でふだんの京都、まちなか京暮らしを実に自然な感覚でさらりと綴られておられます。
永江さんはときどき京都人と控えめにおっしゃいますが、当サイトのテーマ「ふだんの京都、まちなか京暮らし」について京都人の私よりもよくご存じです。
また、知的感性をお持ちの方で行動範囲が広く物事に対する洞察力が鋭いです。
ちっぽけな私が、少なからずお恥ずかしいと感じています。
(広告)一度だけ
最初にお詫びします。
一度だけ恐縮しつつ、お宅の前を自転車でスッと通らさせていただいたことがあります。
書に掲載のお写真通り、まちにすんなりと溶け込んだ瀟洒な町家、「ガエまちや」は、なんら違和感なく京風情が漂っていました。
とかく、まちなかの京暮らしが京町家で実現できる、
「ええとこに住んだはるなあ、ええなあ」
しか言葉が出てこない、羨望以外のことばが見つかりませんでした。
あまり詳しくお示しできませんが、場所(立地)がとてもいいのです。
・御所が近い
・鴨川が近い
・上京区である
・少し歩けば、寺町(寺町京極)や新京極があり、さらには下レば四条河原町や木屋町、先斗町、その向こうに祇園、八坂さんへと通じる
・小粋なお店や老舗が多く、アクセスがよい
・交通の便がよい
・下御霊神社があり、夜店や祭がある
こちらの記事では、書の詳細についてあえて明示しないでおこうと思います。
実際に手に取って頁を繰ってみると、通りに佇みながら眼前に広がる京都のまちなみ、まちの声、においが感じられるような想いに包まれるからです。
そうだ、京都に住もう。
築百年の京町家をリノベーションされ、東京のお住まいを「ガエハウス」(永江さんのハウス)に対して京都のお宅は「ガエまちや」と名付けておられます。
セカンドハウス探しに始まり、京都の古町家にお決めになった経緯や建築家による設計のやりとり、建築を経て実際にまちなか京暮らしをされるまでが詳細に示されています。
じっくり読み進めていると、永江さんは知識人かつ芸術肌の方でさまざまな家具や椅子、テーブル、調度品などを極めて繊細に選んでおられますが、こうしたモノに対する知識と審美眼が不足している私はほとんどわからずじまいとなってしまいました。
巻末に「ふだん使いの京の名店リスト」(2014年12月現在)がありますので、京都移住をお考えの方や京都にお住いの方も参考となるのではないでしょうか。
(広告)ときどき、京都人。東京⇔京都 二都の生活
くり返しになりますが、ときどき京都人やよそさんと謙虚して綴られているこの書ですが、京都のならわしも織り交ぜたふだんの京都、まちなか京暮らしを実践されていて、京都人よりも京都人らしいと感じます。
カフェ、居心地のよさそうな居酒屋やごはん屋があちこちに散りばめられていて、実に京暮らしを楽しんでおられる様子がうかがえます。
下御霊神社の餅つきと猪子餅とお焚き饅頭は、お恥ずかしながら存じませんでした。
このまちは、まだまだ奥の奥があります。
筆を置く前に一言。
京都移住を考えておられる方、京都のまちなかでふだんの京都に接してみたい方、この2冊の書を開けてみると、きっと今よりも京都が好きになります。
よし、行ってみようかという気が湧いてきます。
ふだんの京都、まちなか京暮らしに関心をお持ちの方に、「そうだ、京都に住もう。」と「ときどき、京都人。東京⇔京都 二都の生活」(著者永江朗さん)をおすすめします。
読了後、既にまちの雅な通りに佇んでいるかのような錯覚を感じるはずです。
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