昭和の知性と感性は今なお健在~「日本の歴史」全12巻~

「日本の歴史」全12巻

ある日のことです。

自室の本棚をぼんやり見ていたのですが、20数年前に引っ越した時からずっと同じ位置を占めている12冊の書籍があったことに今さらながら気づきました。

もう60年も前に父が買った本なのですが、昭和35年(1960年)1月10日 第1刷とありカビにまみれているというのでしょうか、本を開くのも少しためらいがちになる代物です。

この書籍は、「日本の歴史」全12巻というもので、発行所は読売新聞社となっています。

それぞれの巻のタイトルは次のようになっていて、390円で販売されており、当時の物価的(調べてみましたが、大卒初任給男子13,080円とのことです)には結構高価な本だったのでは思います。

日本の歴史 全12巻
日本の歴史 書籍情報

「第1巻 日本のはじまり」「第2巻 飛鳥と奈良」「第3巻 平安貴族」「第4巻 鎌倉武士」

「第5巻 北朝と南朝」「第6巻 群雄の争い」「第7巻 天下統一」「第8巻 士・農・工・商」

「第9巻 ゆらぐ封建制」「第10巻  明治維新」「第11巻 明治の日本」「 第12巻 世界と日本」

興味本位でたまたま見つけましたが、メルカリで「日本の歴史 読売新聞社 全12巻 1300円」とありました。少し驚きましたが。

確かに歴史は好きな父でしたが、存命中に聞けばよかったとは思うものの今となってはその購入の意図は不明です。

「おやじは、なんで買うたんやろ?」と感じつつパラパラっと見ましたが、私が生まれる前の昭和35年という時代・世相が感じられ、やはりあちらこちらに「戦後」という言葉がキーワードになっているように感じてしまいます。

昭和35年の物価について参考URL
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000060419

顧問、編集委員、編集協力者の方々は、歴史学の大家です。

日本の歴史 顧問、編集委員、編集協力者

和歌森太郎氏は、「学習漫画 日本の歴史」(小学生の頃よく読みました)で考証・解説をされていました。

奈良本辰也氏のお名前からは、「立命史学」という学風を記憶しています。

また、顧問の吉川英治氏は、歴史・時代小説の大家としてあまりにも有名です。

日本史を学ぶなら立命館大学でと考えていましたが、入試の合格最低点も高くなかなかの難関でした。翌年、結局別の道(大学)を選ぶのですけれども。

大学受験はもう遠い過去の記憶の一つとなってしまいましたが、立命で出題された日本史の入試問題があまりに難しく辟易したことは覚えています。

受験を終えて帰宅してから、「あの問題は、山川の教科書にも載ってへんのとちがうか?」と疑問を持ちましたが、翌年再受験した際には、難問・奇問は減り、比較的オーソドックスな設問となっていました。

話は少しそれるのですが、元大学職員ということもあり入試問題ついて少しふれておきます。

現在は、文科省からの指導や予備校からの指摘(クレーム)もあり驚くような難問・奇問はどの大学でも出題されていないと考えられます。

出題者の趣向というのでしょうか、どの受験生も解けないような問題を出しても理解力を均一に測ることはできませんからね。

それともうひとつ。

仮に今年の出題された問題が難しく合格最低点が下がると、おおよそ翌年の出題はやや易しくなり合格最低点が上がるという隔年現象があります。

これは志願者数にもいえることで、1年おきに増加したり減少したりします。

ただ、合格最低点や志願者数の隔年現象があるとはいえ、大学の入試難易度は概ね変わることはありません。

ある学部で入試を担当していた際、教員は大学(学部)のレベルを落とすことなく、理解力が優れた知的レベルの高い学生が一人でも多く欲しいという点は全くぶれることなく頑なにも貫いて入試を考えていました。

本は硫酸紙(だと思うのですが)に包まれていました。

日本の歴史 硫酸紙に包まれた本
日本の歴史 全12巻を並べた様子

この昭和の知性と感性の結集ともいえる「日本の歴史」全12巻、時間を見つけて少し向き合ってみようと感じました。