今やオンライン家庭教師?~京都の高校と予備校、今昔事情~

梅雨前、薫風とイチハツの花に誘われて上御霊神社を訪れました。その際、神社から少し上がった地にかつて関西文理学院という大学進学予備校があったことを思い出しました。

1984年(昭和59年)、大学受験に失敗し浪人が確定した当時のことなのですが、京都で予備校に通うなら駿台予備学校(駿台)か関西文理学院(カンブリ)しか選択肢はなかったように回想しています。

現在大学受験の浪人率は、全国平均20%程度とのことですが、浪人生が圧倒的に強かった当時を回顧しつつ、同世代の方は懐かしくお感じになられるかもしれませんが、京都の高校と予備校事情について探ってみます。

また、情報インフラ化しているネットのご時世にオンライン家庭教師が受験生の学習を支えている点についても触れ、いつもながらのよもやま話も少しお示しさせていただきます。

(広告)

高校は、洛洛から京大へ

洛洛とは、洛星高校と洛南高校で、いずれも私立です。

今も大きく変わりませんが、当時束になって京大に入っていたのはこの高校でした。

京都の公立高校は、学費は安いが際立ったカリキュラムや教育を推進しようという姿勢や心意気があまり感じられませんでした。

また、進学する公立高校は決まっていて、この小学校はこの中学校に入り、高校はこの学校と制度化されていて、また制服もなく、だらけてもええんや(怠ける)というような気風が生徒の中にも燻ぶっていました。

堀川、西京、嵯峨野 公立強し

先にも「教育熱心な子育て世代に圧倒的な人気~なぜ御所南小学区に~」で記しましたが、御所南小学校 - 京都御池中学校 - 堀川高校 - 京都大学といった小学校から高校まで全て公立というエリートコースが構築されていて、西京高校や嵯峨野高校をはじめ洛北高校(旧制一中)など公立高校の躍進がめざましいです。

ちょっと裏話

大学職員時代に大学連合組織へ出向していたことがありました。

当時、西京高校(前身は西京商業高校)を改革し、未来社会のリーダたる創造性に富んだ人材を育成するという理念を標榜したエンタープライジング科の設立に奔走していた担当の方とお話しする機会がありました。

「きっと、洛星・洛南・堀川・西京という京都の教育事情を変革してみせる」と豪語されていました。

私は、驚愕しながら本気か?と内々訝しんだのですが、その後のご尽力で、西京高校の躍進を現実として認識することとなりました。

(広告)

予備校では、駿台

先に京都では駿台かカンブリかの選択が浪人生の常識に近いものがありましたが、その後河合塾や代々木ゼミナール(代ゼミ)が京都に進出し、駿台、河合塾、代ゼミの競争が激化したことを記憶しています。

こうした三校の興隆により、老舗の予備校関西文理学院は募集停止となり姿を消すことになります。これを知った際、通うことは無かったものの一抹の寂しさを感じたことを思い出します。

その後、代ゼミも京都から撤退するのですが・・・。

さて、今はどんな予備校や塾があるのだろうと、「京都 予備校」で検索したところ、恐るべき数が表示され、この乱立する実情について追いかけることをやめました(ちょっとうんざりとしました)

コロナ禍が進化・深化させた?オンライン家庭教師

家庭教師といえば、今昔大学生にとって憧れでもあり、注目したアルバイトのひとつでした。

Zoomを始めとする、場所と時間を問わない音声・画像を双方向で視聴できるツールが加速度的に広まりを見せ、コロナ禍の中テレワークには必須のツールとなりました。

家に居ながら講師の個別指導を受けることができるのですから、生徒も親もこうした教育支援を見過ごすことはないでしょう。オンライン家庭教師は、コロナ禍とテレワークが助長したといっても過言ではありません。

夜間に予備校や塾に通う際の防犯上の安全性が確保でき、また指導時間を柔軟に設定できることから親にとっては安心安全と言えるでしょう。

気になる授業料なども含めて、例示として下記をご紹介しておきます。

(広告) (広告)

     

カンブリに端を発し、京都の高校と予備校について、今昔事情のほんの一面をお示ししました。

ここからは本テーマとは離れて、少し堅苦しく脱線いたします。

今なお存在し続ける学歴偏重社会

本来なら学校教育のみで大学へ進学できる学力を生徒たちが享受できることこそ理想であると考えています。

つまり、予備校や塾、オンライン家庭教師に頼ることのない大学受験があってしかるべきだとも考えます。

国公立大学・有名難関私立大学・医学部に何人の合格者を出したというような新聞に挿まれているチラシやネットのページを見ても、生徒や親を煽る広告が目につきます。

学歴社会は希薄になったかというと決してそうではないと捉えていますし、偏差値という尺度も消えることなく存続している(していく)と感じています。

パラダイムシフトで働き方や生き方が大きく変わりつつあるけれども、なおも学歴偏重は存在し、さらに将来的な社会のありようにも影響し続けると想定できそうです。

(広告)

学校教育への期待

私の時代に比べて、京都の公立高校は飛躍的な躍進を遂げ、それぞれ特色ある教育を推進していることは顕著で素晴らしいと感じています。

想いとしては、

社会におけるさまざまな側面において閉塞している中、教育の無償化とそれぞれの学校が持つ教育理念に則した特色ある教育を充実させ、大学進学を始め生徒たちの夢を実現できる教育のあり方を学校教育に期待したいと感じています。

オンライン家庭教師という選択肢

とはいえ、今昔大学受験は人生における通過点ではあるものの、厳しい局面にぶち当たりますので、やはり予備校や塾の支援を受けざるを得ないとも感じています。

今やITやICTという言葉自体が古びていくようで、あらゆるネットワークやそこから生まれ出た情報メディアの産物としてのオンライン家庭教師を想起しますが、迷わず選択できるご時世なのだと改めて認識しています。