「鬼は外」だけじゃない~京都ならではの節分を体験~
新年のお祝いごとも終わり、そろそろ節分が近づいてきました。
京都における節分はさまざまなイベントがめじろ押しの、とても賑やかな日。
当記事では、京都だからこそ見られる節分の景色をご紹介しています。
「鬼は外」だけにとどまらない京都の節分、その魅力に触れてみませんか。
(広告)狂言、厄除け祈願、お土産の甘味……楽しみが詰まった「壬生寺」の「節分会」
トップバッターは新選組にゆかりの深い寺院として知られる「壬生寺」の節分。
当寺では毎年2月2日から4日にかけて、「節分会(せつぶんえ)」という祭事が執り行われます。
期間中にある行事は厄除け護摩(ごま)の祈祷(きとう)や、稚児(ちご)のお練り供養など、ご利益の期待できるものばかり。
中でも壬生寺の名物である「壬生狂言(みぶきょうげん)」は非常に人気が高く、この時期にちなんだ演目「節分」を見ようと多数の参拝者が詰め寄せます。
壬生狂言「節分」のあらすじは、「女性の家にやって来た鬼を豆まきで退治する」といった、シンプルながらも本質的なもの。
ハイライトである豆まきのシーンでは、苦手な豆をぶつけられ、たまらず逃げていく鬼のユーモラスな演技に、思わず笑顔になる観覧者も少なくありません。
また、期間中は春の壬生狂言の演目「炮烙割(ほうらくわり)」で実際に使用される炮烙を奉納することも可能。
こちらは厄除け祈願にもなるということで、炮烙に家族の性別・年齢を書いて納める方がひっきりなしに訪れます。
他にも、壬生寺のすぐそばで営業する和菓子屋「金つばの幸福堂」では、この時期のみ「焼きたての金つば」を販売しているのだそう。
壬生寺の節分会を満喫したあと、立ち寄ってみてはいかがでしょう。
(広告)節分限定のスペシャルなお守り。「須賀神社」の「懸想文」
ふたつめにご紹介するのは、平安神宮の北に位置する「須賀神社(すがじんじゃ)」。
ご祭神は夫婦神の「須佐之男神(スサノオノミコト)」と「櫛稲田比賣神(クシナダヒメノミコト)」の二柱で、縁結びや家内安全のご利益があると伝わっています。
こちらの神社で特に参拝者が集うのが、節分祭の行われる期間。
実は須賀神社の節分祭では、とっておきの縁結びのお守り「懸想文(けそうぶみ)」が登場するのです。
懸想文とはいわゆるラブレターのこと。
この懸想文を水干(すいかん)に烏帽子(えぼし)姿の「懸想文売り」が授与する……というのが、須賀神社の節分として知られる景色です。
懸想文のご利益は、良縁成就に美人祈願。
さらには箪笥にしまっておくと着物が増えるともうたわれており、女性にとって心強いお守りとなること間違いありません。
期間限定のスペシャルな縁起物・懸想文、節分の時期まで覚えておきたい逸品です。
(広告)節分に行われる日本版のハロウィン「お化け」
ラストにお届けする「お化け」は、節分の日だけ見られる少し変わった京都の風習。
豆まきによる鬼退治を行うことでもわかるように、昔から節分は鬼や邪が出る日だと考えられていました。
このときに普段と違う別人に化けることで、鬼の災いから逃れ、かつ鬼の持つ福を得ようとしたのが、「お化け」と呼ばれる仮装の風習です。
イメージだけで例えると「日本版のハロウィン」といったところでしょうか。
江戸末期から続くこの風習は、現代でも京都の花街で芸妓・舞妓が行っているのだとか。
また節分の日の神社仏閣では、有志の団体が化けて参拝をする姿も見かけます。
「節分を楽しく過ごしたい」という気持ちが伝わってくる、不思議な風習・お化け。
細くも長く紡がれてきた、人々の知恵と遊び心が生んだ素敵な取り組みです。
どこの行事も魅力的な京都の節分
記事で取り上げたもの以外にも、たくさんの行事が開催される京都の節分。
「今年はどの節分の景色を楽しもう」と悩んでしまうほど心惹かれるその光景、ぜひ実際にご覧になってみてください。
壬生寺
〒604-8821 京都府京都市中京区坊城仏光寺北入る
金つばの幸福堂
〒604-8821 京都府京都市中京区壬生梛ノ宮町20
須賀神社
〒606-8323 京都府京都市左京区聖護院円頓美町1