京都の味?お公家さんの味?~あの甘さが魅力、白味噌~

京風雑煮

白味噌のやわらかい甘味、京都の味

白味噌というと、汁は白く、まったりとしていてやわらかい甘みが特徴です。正月の雑煮は、白味噌で丸餅なのですが、関西ではこうした雑煮が多く、他の地域はすましや赤味噌を使うことが多いようです。

お公家さんと言うと、気位ばかりが高くて遠回しなものの言いようの中にネチッとした皮肉が混じっていて、ちょっぴり好かんところがあります。テレビの見過ぎです、すいません。

江戸時代、大名の多くは御所に参内する際、宮中独特のしきたりや作法に対して公家衆から指摘され、無作法と嘲笑されたそうです。

御所は、武家にとっては「アウェー」でとても居心地の悪い場所だったと思われます。

ただ、公家は貧乏でしたので少しのお金を握らすと態度が一変したとか(真偽は定かではありませんが)

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お公家さんの悪口はこれぐらいで、白味噌です。

白味噌というと西京味噌を思い浮かべるのですが、おおよそ200年前に御所近くにあるお店(現在の本田味噌でしょうか)が禁裏御所に献上したのが始まりだそうです。

ちょっと話がそれますが、学生のころ、このお店でアルバイトをしていました。贈答用の木樽詰めの味噌詰合せがあったのですが、その小さな樽の円形の蓋を3等分するように紐をかけます。この紐の妙技を教えていただき、実際の商品に紐をかけていたのはアルバイトでは私だけでした。ちょっぴり自慢ですが、今はきっとできません。

天皇やお公家さんは、やはり白味噌を食べておられたのですね。それでも正月や宮中の儀式など特別な行事に使われていたとのことですので、つねひごろの食べ物ではなかったようです。

ところで、白味噌は味噌汁だけではなく、別の食べ方があります。魚の切り身を漬ける「西京漬け」です。

鰆(さわら)、鱈(たら)、甘鯛(京都ではぐじといったりしますが)を西京味噌に漬けこみ、焼いたものです。これは、へしこのように魚を塩で漬けて日持ちさせるのとは少し違い、白味噌の甘みとうまみを魚に染み渡らせて魚のおいしさを贅沢に味わうというものだったと考えています。

魚が苦手な方や子どもさんも、脂ののった西京漬けを食べれば、その味わいとジューシーさにきっと感嘆されることでしょう。

とやかくいいましたが、こんなおいしいものを見極めて今に伝えてくれているお公家さんたちに感謝しなければいけませんね、自戒しています。

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おすすめ、「西京味噌漬け(ぐじ)」

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